五感で描く臨床美術
~幻想的な紫陽花のアートワーク~
皆さま、こんにちは。
今回は、先日開催いたしました「臨床美術」のイベントの様子をお届けいたします。
今回のテーマは、今を盛りに咲き誇る「紫陽花(あじさい)」。
独自のステップに沿って、絵具の美しさや和紙の質感に触れながら、五感を開いて世界にひとつだけの作品を生み出す、豊かで創造的なひとときを過ごしました。
五感をひらき、心象の紫陽花を描く
今回の臨床美術は、モチーフとなる紫陽花をじっくりと観察し、その色彩や佇まいを感じ取ることから始まりました。上手に描くことにとらわれる必要はありません。ご自身が五感で受け取った紫陽花のイメージ(心象)を、そのまま表現していきます。
まずは、真っ白な画用紙に絵具をのせ、水の含ませ方や色の滲みを活かしながら、思い思いの色彩を広げていきます。

臨床美術士のアドバイスに耳を傾けながら、イメージを膨らませるひととき。目の前に生けられた鮮やかな紫陽花が、五感を優しく刺激します。

絵具に向かい、直感のままに色を紡ぎ出す参加者の皆さま。
色の重なりやグラデーションの中に、お一人おひとりの個性がきらめきます。
和紙への転写が生み出す、偶然の美しさ
描き上げたイメージ画が乾く前に、今回は「和紙」へ色を写し取る(転写する)という技法を取り入れました。

色鮮やかに描き出された表現の数々。
これが和紙の繊維と出会うことで、どのような変化を見せてくれるのでしょうか。
画用紙から和紙へと色彩が移る瞬間は、まさに臨床美術ならではの「偶然の美しさ」との出会いです。
和紙特有の柔らかく温かみのある質感が加わることで、絵具だけでは表現できない、奥深いテクスチャーが生まれました。
ちぎり絵の技法で、想いを交差させる
続いて、転写した和紙を手で優しくちぎり、色紙(しきし)の上で貼り合わせていくステップへと進みます。 ハサミを使わずに手でちぎることで、和紙の断面に独特の「毛羽立ち」が生まれます。
この偶然の輪郭が、紫陽花の繊細で柔らかな質感を巧みに表現してくれます。

和紙の感触を指先で確かめながら、丁寧にちぎり、構成を考えていく様子。
集中する心地よい静けさが部屋を包みます。
色紙の上でちぎった和紙を組み合わせ、紫陽花の花弁や葉を形作っていく工程は、感性が赴くままの自由な選択の連続です。その一瞬一瞬が、脳を心地よく刺激し、心を解放していきます。
個性が花開いた、幻想的な紫陽花たち
こうして、参加された皆さまの感性と響き合い、素晴らしい「紫陽花」の作品が誕生いたしました。
どの作品も息をのむほど幻想的な色合いで、唯一無二の存在感を放っています。
完成作品のご紹介:1。
左側は深みのある色彩が幾重にも重なり、右側はピンクと青紫が美しく溶け合っています。
ちぎり絵の重なりが、本物の紫陽花のような奥行きを感じさせます。

完成作品のご紹介:2
三者三様の紫陽花が並びます。
色のコントラストを楽しまれた作品や、和紙の葉を大胆に配した作品など、ご自身の「表現したい気持ち」が真っ直ぐに伝わってきます。

最後に、お互いの作品を鑑賞し合い、それぞれの良いところや魅力的な表現を見つけ、認め合う「鑑賞会」を行いました。
「この色の重なりが本当に素敵ですね」「和紙のちぎり方が優しくて素晴らしい」と、温かな言葉が交わされ、会場は充実感と笑顔に包まれました。
美術を通じて心を通わせ、紫陽花の美しさを作品として心ゆくまで味わった、かけがえのないひととき。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

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