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佐藤伸彦の「ちぎり絵」

介護職のための最終章ケア
(3)食べる 不安、怖い、わからない

2017.02.09 公開

■栄養と水分摂取の問題

医師になりたての頃は、最後まで点滴をするのが常識。多くの方が最後の時期に全身がむくみ、痰や分泌物が喉のところでゴロゴロという音を立てていました。
大量の点滴を毎日のようにすることで、心臓はその入ってきた水を処理できずに、肺に水が溜まり、呼吸が苦しくなることも起きていた。
そんな対応をしていた時期が少なからずある。
それは「溺れて死ぬ」と表現されていました。

今は、その反省もあり、終末期にはあまり点滴を積極的にはしなくなってきている。(それでもまだまだ大量の点滴をしていることの話はきく)。
それを「枯れるように死ぬ」と表現されるかたもいますがあまり好きではない。

最後の時間の経口摂取の問題は、家族やスタッフにどのような言葉でその内容を語るのかが重要なのです。
点滴する・しないの二項対立ではない

溺れて死ぬのでも、枯れて死ぬのでもない。

助からない、最期の時間をどうすれば安楽に過ごすことができるか、それを全員が真剣に考えることです。
少量の点滴が必要の時もあれば、何もしない時が良いこともある。
食事が1日でも取れないと、不安、心配、どうしたらいいかわからないが増えてきます。

点滴、「でも」、しないといけないのではないかという思いが起きてくるのも致し方ないが、ケアに関わるものとしてはもう一歩考えていただきたい。

Q&Aを15年も前に作ったのですが、少し修正して添付します。
今なら少しは読んでもらえるでしょうか。15年前は即ゴミ箱行きでした!!

(佐藤)


Q) 点滴は種類はいろいろあるのですか?その違いはなんですか?
A) もちろん、点滴と言ってもその中身 (成分) はいろいろです。
まずは血管の中に入れますので無菌です。
体液と圧 (浸透圧)が同じ生理食塩水は聞いたことがあるでしょう。
カリウムなどのミネラル分やブドウ糖に代表されるエネルギ一源となるものをうまく組み合わせていろいろな疾患に対応できるように作ってあります。
ブドウ糖1gは約4Kcal に相当します。さらにビタミンや微量元素と言われるものを追加したり、アミノ酸というタンパク質の原料となるものを含んだ栄養価の高いものもあります。
多くは500mLのボトルですが、1Lとか 1.5L というものもあります。


Q) 点滴をすることで栄養補給はできないのですか?
A) 通常の手足の血管からする点滴 (末梢点滴)では栄養価の高い(浸透圧が高い) 点滴をすることが無理ですので、栄養補給という意味はまずありません。
①栄養価の高い点滴では、血管に炎症が起きて赤く腫れたり詰まってしまったりする
②栄養価の高い点滴では、点滴をしている部位に痛みがある
③高齢者はそれでなくても血管が脆いので、漏れたり、針を刺すのに何度も何度も手足をゴムで縛られて、失敗も致し方ない中で、本人も看護師もストレス


Q) 末梢点滴を大量にするということは無理なのですか?
A) 末梢から可能な点滴のカロリーは500ml (多くの点滴は一本500mlです) で最大で200カロリー程度です。最低限800カロリーを投与しようとすると一日4本、2Lの点滴をしなくてはなりません。
高齢者に毎日2Lの点滴をすることは血管に液体が直接入っていくためにそれを循環させる心臓に負担をかけて、心臓のポンプとしての機能がダメになり (心不全と言います) 水が溢れてしまいます。
溢れたものは、痰や唾液などの分泌物の増加、肺はゼイゼイというようになり、手足の先はむくんできます。
「点滴で溺れる」と表現するとイメージが湧くかもしれません。


介護犬プロットちゃん

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